ロコ・ソラーレのGMに就任し社会人1年生となった本橋麻里さん。町おこしも1年生として、各市町村の代表者とともにオホーツクの魅力をどんどん深堀りします!グルメや自然が自慢のオホーツクはどのシーズンも見どころがたくさん。そんなオホーツク18市町村を春・夏・秋・冬の季節ごとに得意分野のテーマを設け、それぞれのシーズンの楽しみ方について学び、町づくりについてのアイデアを考えていきます。今回のテーマは「オホーツクの夏」です。

本橋GMとオホーツクの夏を語る
メンバー(写真左から)
斜里町

寺屋 翔太さん
斜里町総務部環境課
自然環境係
大空町

安倍 利夫さん
オホーツク大空町
観光協会
小清水町

千葉 敬也さん
小清水町企画財政課
企画係
訓子府町

水留 亜希さん
農家
佐呂間町

室井 公太さん
佐呂間町経済課
商工観光係
夏のオホーツクはアクティブに楽しむ!
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本橋GM - 冬のイメージが強いオホーツクですが、実は夏もたくさんの楽しみ方がありますよね。今回のテーマはそんな「オホーツクの夏」の魅力を皆さんに教えてもらって、よりよい町づくりへ向けたアイデアを考えていきたいと思います。まずは、“わが町の夏の自慢ポイント”を教えてください!
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斜里町
寺屋 翔太さん - 斜里町からは、年間約120万人の観光客がやってくる知床世界自然遺産についてPRをさせていただきます。
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大空町
安倍 利夫さん - オホーツクの玄関口、女満別空港のある大空町の夏の花ひまわりをご紹介したいと思います。
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小清水町
千葉 敬也さん - 今日は小清水町の野鳥とバードウォッチングについて熱くご紹介します。
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訓子府町
水留 亜希さん - おいしいくんねっぷメロンと、訓子府町のママ友で企画しているイベントについてお話しさせていただきます。
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佐呂間町
室井 公太さん - 佐呂間町と言えばサロマ湖、そのサロマ湖の楽しみ方をご紹介します。
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本橋GM - オホーツクの夏はアクティブに楽しめる魅力がたくさんありそうですね!では、お一人ずつその魅力を深く語っていただきます。

みんなで作る、みんなで守る、
町の魅力。

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本橋GM - 斜里町といえばやはり、知床の世界自然遺産ですね。
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斜里町
寺屋 翔太さん - そうですね。北海道を全身で表すとしたら頭が稚内で左手辺りが知床です。左手首ぐらいしかない狭いところにおよそ150本の川や1600メートル級の山や海が隣接していて、多様な環境に育まれた自然がある場所です。2005年に世界自然遺産に登録されてから、知床と言えば緑と青の濃いポスターというプロモーションばかりでしたが、今は「知床トコさん」というキャラクターをつくって、見るだけの自然ではなく「体で感じる世界遺産」というコンセプトを掲げてプロモーションを行っています。
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本橋GM - すごくかわいい!親しみやすさもあっていいですね。

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斜里町
寺屋 翔太さん - そんな自然をPRしている知床ですが、実は知床の自然は原生的なものだけではないんです。
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本橋GM - えっ、そうなんですか?手つかずの自然だと思っていました!
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斜里町
寺屋 翔太さん - 実は一部植樹をしていたりと、人の手が入っている部分もあるんです。それは40年ほど前からはじまった「しれとこ100平方メートル運動」という取り組みによるものなんです。当時乱開発の危機にあった知床の開拓跡地を、全国から寄付を集めて買い取ったんです。そこに原生の森を復元しようというプロジェクトなのですが、その取り組みの中で植樹をしたり、野生動物が暮らしやすい環境を整えたりしています。

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本橋GM - そうだったんですね!
※ロコ・ソラーレの4人が知床の羅臼岳に登った様子はこちら!
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斜里町
寺屋 翔太さん - 知床の自然というのは森と海と山があるというだけじゃなく、人間も介在して作られているという部分に価値があると感じています。
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本橋GM - たくさんの方の協力を得て、知床の自然を守ったんですね。
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斜里町
寺屋 翔太さん - そうですね。そして私たち役場の人間が木を植えるというだけじゃなくて、プロジェクトを通して皆さんに参加していただく機会をつくっています。
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本橋GM - 素晴らしい活動ですね。大空町さんも自然を楽しめる町だと思いますが、どんなところが魅力ですか?
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大空町
安倍 利夫さん - 大空町の夏といえば、やはりひまわりが有名ですね。女満別空港の周辺と朝日ヶ丘公園の周辺、あと女満別市街地の中心部にあるトマップ川公園の3カ所に咲いています。空港周辺はひまわりと飛行機を一緒に撮れるということで、撮影スポットとして人気ですね。朝日ヶ丘公園では網走湖が映る角度で写真を撮ったり、公園内の展望台からの風景を楽しんでいただいています。

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本橋GM - 女満別空港以外にもひまわりを楽しめるスポットがあるんですね!ひまわりはどのくらいの期間見ることができるんですか?
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大空町
安倍 利夫さん - ひまわりは咲いてから2週間ほどで見頃が過ぎてしまいます。なので朝日ヶ丘公園の周辺は、農家の方に協力をいただいてひまわりの種をまく時期を区画内でずらしてもらっています。そうすることによって1ヵ月ぐらいは公園内のどこかでひまわりが咲いている風景を楽しむことができますね。
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本橋GM - 農家の方のご協力のおかげで大空町では長くひまわりを楽しめるんですね!
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大空町
安倍 利夫さん - そうなんです。女満別空港周辺とトマップ川公園は種まきをずらせないので、お盆の時期や観光客の方が集まる時期に咲かせるようにしています。
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本橋GM - 私もよく女満別空港を利用しますが、飛行機からひまわりが見えると夏が来たな〜って思いますね。斜里町も大空町も共通するのは町民の方や、たくさんの方々の理解や協力があるからこそ町の魅力がつくられているというところですね!私たちロコ・ソラーレも力になれたらと思います。
町の強みをPRするアイテムとは?

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小清水町
千葉 敬也さん - 小清水町では約300種類以上の野鳥を観察できるのですが、これがなんと国内で観察できる鳥の約半数で、さらに北海道で観察できる鳥の約70%といわれています。
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本橋GM - そんなに!バードウォッチングのベストシーズンはいつですか?
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小清水町
千葉 敬也さん - 1年を通して観察できる野鳥もいますが、繁殖期や春と秋の渡りの中継の時だけやってくる鳥などもいるので、季節によってさまざまな野鳥と出会えます。バードウォッチングができる場所としては濤沸湖(とうふつこ)の周辺や藻琴山、森林地帯、市街地など比較的どこでも観察できる環境があります。代表的な野鳥は、タンチョウやシマフクロウ、オオワシといった天然記念物や絶滅危惧種に指定されている鳥たちです。テーマになっている夏の時期に観察できる野鳥の種類は例えば、アカゲラやシマエナガ、キレンジャク、カワセミ、オジロワシなどですね。
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本橋GM - 天然記念物の鳥も見ることができるんですね!
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小清水町
千葉 敬也さん - そうなんです。そんな小清水町の野鳥をたくさんの人に楽しんでもらうために、観光協会でバードウォッチングの心得や服装、野鳥が観察できる場所を紹介している「トリタビフィールドノート」と、観察した鳥などを記録できる「小清水の野鳥150種類シール」をつくりました。小清水町の観光案内所である小清水ツーリストセンターで販売しています。

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本橋GM - このノートにシールを貼っていくんですね!楽しそう!野鳥のように、どこにも負けない強みを軸にアイテムができると町の楽しみ方をPRしやすいですね。他の町でも応用できそう!
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訓子府町
水留 亜希さん - 訓子府町の農家でも、町でどんな野菜を作っているかを紹介できる冊子があると良いなと思いました。まねしたいです!
地元でしか味わえない!
くんねっぷメロンの魅力。

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訓子府町
水留 亜希さん - 訓子府町といえば「くんねっぷメロン」ですね。実は流通しているくんねっぷメロンは赤肉がメインなんですよ。知っていましたか?
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本橋GM - 確かに!よく地方の友人にくんねっぷメロンを送るんですけど、赤肉を勧められますね!
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訓子府町
水留 亜希さん - くんねっぷメロンには赤肉と青肉がありますが、青肉はあまり日持ちがしないので贈り物や通販では赤肉が中心になりますけど、青肉のくんねっぷメロンもとってもおいしいんですよ。
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本橋GM - なるほど。青肉メロンのおいしさを味わえるのは、地元の方とオホーツクに遊びにきてくださった方の特権ですね。
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訓子府町
水留 亜希さん - 訓子府町に遊びにきて、ぜひ現地で青肉メロンを食べてほしいと思います!
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本橋GM - そんな訓子府町の特産物をたくさん楽しめるイベントもあるんですよね?

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訓子府町
水留 亜希さん - そうなんです。夏ではなく11月の開催になってしまうのですが、訓子府町の食べ物のおいしさをみんなに伝えたいという思いで、訓子府町のママ友と立ち上げた「野菜&雑貨フェス」というイベントがあります。自家製野菜や市場に出しているような新鮮な訓子府産の野菜と、町の人たちが作った雑貨を販売しています。公民館にブースを用意して、町の人たちを中心に参加してもらってみんなで訓子府町の良いところをアピールしています。
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本橋GM - 地方発送もできるんですか?観光で来た方もイベントで買い物した時に便利ですよね!
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訓子府町
水留 亜希さん - 地方発送もお店で個別にお願いしています。あと、このイベントで力を入れているのが無料の託児です。小さい子がいるとゆっくりイベントを楽しめないということを私も感じていて。
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本橋GM - 子どもを預けてお母さんはイベントを楽しんでもらうということですね。
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訓子府町
水留 亜希さん - じっくりしっかり訓子府町を味わっていただきたいという思いですね。
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本橋GM - お母さんにとってはとてもうれしいサービスですね!私も行ってみたいです。イベントへの参加のハードルを下げることで、町の魅力を知ってもらえる機会を増やすことができますね。とても勉強になります!
ホタテだけじゃない!?地元民も意外と知らないサロマ湖の楽しみ方。

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佐呂間町
室井 公太さん - 佐呂間町からはサロマ湖をPRしたいんですが、これが展望台から見たサロマ湖です。

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本橋GM - こんなにきれいなんですね!私も佐呂間町は地元から近いんですが、サロマ湖を展望台から見たことがなかったです。
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佐呂間町
室井 公太さん - 地元にいると展望台ってあまり登らないですよね。天気がよい日に網走や斜里町の方を見ると知床の山が見えるんですよ。サロマ湖はホタテの養殖のイメージが強いと思うんですけど、サロマ湖を一周するサンセットクルーズもやっているんです。船の上から見る夕陽もすてきですね。
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本橋GM - 知らなかったです!サンセットクルーズでは船上でお酒やお食事の提供はあるんですか?
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佐呂間町
室井 公太さん - それは今のところはないんですよ。持ち込みはできると思うのですが。
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本橋GM - クルーズ中にお酒や佐呂間町の特産物が食べられるといいですよね。旅行中って荷物を増やしたくないし、手ぶらでその場所に行ったらおいしいものが食べられるっていうのがいいですよね。
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佐呂間町
室井 公太さん - 確かにそうですね。コンビニも近くにないので。ちょっと提案してみます!
オホーツクの夏を
もっと盛り上げるアイデアとは?。

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本橋GM - 町づくりについて課題に感じていることはありますか?
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大空町
安倍 利夫さん - オホーツクって広いので、一度に見て回ることって難しいですよね。たくさんの町に立ち寄ってもらうためのアイデアがあればと。
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本橋GM - 確かに広いですね。でもオホーツクってひとつの町に何時間も滞在するというよりは、ちょっと隣の町に車で行って写真を撮る、ドライブしながら何かを食べるっていうことができるのが魅力だと思うんですよね。それでも1日ではまわれないので、たくさんの町を少しずつ楽しんでもらうために、宿泊できる場所を増やしていけたらいいですよね。

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大空町
安倍 利夫さん - 確かに宿泊場所は課題ですね。
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本橋GM - なかなか難しいとは思うんですけどね。あと大空町さんはオホーツクの玄関口じゃないですか。だからいろいろな町と連携して情報発信をする町にしていくとオホーツク全体の魅力が伝わりやすくなるかなと思います!
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大空町
安倍 利夫さん - そうですね。玄関口として、できることからはじめてみようと思います!
夏のオホーツクへ訪れる皆さまへ。
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本橋GM - それでは最後に、夏のオホーツクへ遊びにくる皆さまへメッセージをお願いします!
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斜里町
寺屋 翔太さん - 斜里町へ遊びにこられる方々へお願いなのですが、斜里町では「STOP!えさやり」という運動を行っています。観光中にヒグマやキツネにえさをあげてしまう方がいるんですよね。そうすると野生動物がえさをあげるつもりがない車にも近寄るようになって、車にひかれてしまうということがあります。野生動物保護のため、えさやりはせずに知床の自然を楽しんでください。

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大空町
安倍 利夫さん - オホーツクの夏はとても過ごしやすい気候です。そして大空町やオホーツク全体でも夏を楽しむお祭りやイベントが増えてきます。短い夏をぜひ満喫しに来ていただけたらと思います。
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小清水町
千葉 敬也さん - 小清水町に来た際には、小清水ツーリストセンターに立ち寄っていただきつつ、町内の観光地を巡ってほしいです。バードウォッチングは気軽に始められるアウトドアなので、ぜひ小清水町で楽しんでください。
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訓子府町
水留 亜希さん - オホーツクの夏といえば訓子府町のメロンだと思いますので、ぜひメロンを食べにきていただきたいです。イベントにも来てください。
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佐呂間町
室井 公太さん - おいしいホタテはもちろん、サロマ湖のサンセットクルーズを楽しみに佐呂間町に来ていただければと思います。


町の魅力づくりについて、たくさんの人の思いや協力によってどんどん良いものができるということを実感しました。あとは、自分の町の強みをどうPRしていくか、他の町の事例を参考にしながらオホーツク全体で進化していけたら良いなと思いました!オホーツクールが市町村の連携の架け橋になれるよう、私も頑張ります!