常呂の出土品が重要文化財に!
国の文化審議会は北見市ところ遺跡の森で収蔵している
「常呂川河口遺跡墓坑出土品(ところがわかこういせきぼこうしゅつどひん)」を
国の重要文化財に指定することについて、文部科学大臣に答申しました。
正式に指定されると、北見市で唯一となる国の
重要文化財が誕生します。
〇『常呂川河口遺跡墓坑出土品』の概要
常呂川河口遺跡は、常呂川河口付近の東岸に位置する遺跡です。
常呂川掘削護岸工事に伴い大規模な発掘調査が行われ、
膨大な数の出土品が発見されました。
『常呂川河口遺跡墓坑出土品』は、その中の一部であり、
縄文時代晩期から続縄文時代中頃(約2,500~1,600年前)に
かけての、墓から発見された資料のうち代表的な出土品
1,805点から構成されています。
〇『常呂川河口遺跡墓坑出土品』の特徴
この時代には、墓に多数副葬品を納める風習が
盛んにおこなわれていました。
常呂川河口遺跡では、そうした副葬品をもつ墓が多数発見されています。
副葬品には、土器や石器などの道具のほか、ヒスイ製の勾玉や、
サハリン産の琥珀を使った首飾りなどの装身具も多く見られます。
墓の中には、同時期の北海道におけるほかの遺跡と比べても、
とくに豪華な副葬品をもつ墓があり、こうした品物を手に入れるだけの
力のある人物が登場していたことがわかります。
これらは、当時の死者を送る文化や、社会の様子を推定する上でも、
学術的に重要な意味をもっています。
こうしたことから、「常呂川河口遺跡墓坑出土品」は、
この時代の北海道東部の文化を知る上で欠かせない考古学資料として
評価され、重要文化財に指定されることとなりました。
〇今後の予定
「常呂川河口遺跡墓坑出土品」は、ところ遺跡の館にて
展示されていますが、令和5年初めに東京国立博物館で
開催が予定されている「新指定国宝・重要文化財展」への
出品のため、一部の出土品は貸出中となっています。
ところ遺跡の館では、貸出品の返却後、令和5年春に
特別展示を予定しています!
※全掲載画像(撮影:佐藤雅彦 氏)